後を絶たないフィリピン人との偽装結婚とその相場

国際詐欺・偽装結婚の実態

日本とフィリピンとの歴史が抱える根の深すぎる闇

フィリピンといえば日本と関わりも深く、歴史的背景からすれば、かつて武士の時代には「ルソンの壺」として高級輸入品として貿易が盛んであったり、第2次世界大戦時には日本が占領した事で、深い傷跡を残してきた国です。

近代日本においても国交は絶えることなく続き、日本の産業発展に伴い日本はアジアの国々の中でも、フィリピンに対して多額の国際支援を今尚続けていることをご存知でしょうか?

以下の表は外務省が公表しているデータですが、実はアジアの中で「無償資金協力」つまりお金をただであげた国は、フィリピンが一番なんですね。

引用:ODA(政府開発援助)

フィリピン女性を食いものにしたジャパユキ問題

その経過の中で、私と同年以上の方々ならば誰もが聞いたことがあるであろう、今となってはタブーとされる言葉「ジャパユキ」問題もありました。

これは豊かになった日本へ、ダンサーあるいはシンガーとしてアジア各国から出稼ぎに来ていた外国人の事を「ジャパン行き」と呼び、それがいつしかフィリピン人を指して使う悪意のある言葉として使われるようになりました。

彼女達の多くは日本人の子供を生み、日本人からのお金を自国へ持ち帰り、家族を養ってきたのですが、自国でも、そして日本でも「ジャパユキ」の名で批判されながらも、多くのフィリピン女性は家族の為に自らに鞭を打ち仕事をしてきたのです。

ところが、両国のプロモーターと呼ばれる斡旋業者は当時彼女達の給料以上のマージンをはねお店は売春を強要し、日本人のお客達はフィリピン人を騙し子供を身籠らせてそのまま放置、フィリピン人は「愛」の名のもと日本人男性を妻から寝取る、という酷い状況もあった事は全てではないにしろ間違いありません。

日本における夜の世界で働くフィリピン人達

それら全て夜の世界で日常的にあった現実でした。

私が初めてフィリピンを訪れた20数年前には、トンドという地区へ差し掛かるとタクシーへ小さな子供が走り寄ってきて、お金をせがむ光景があまりに酷かった。

しかも、それはフィリピン人ではなく、自分と同じ系統の顔立ち、汚れてはいても同じ人種であることはすぐにわかりました。

私が受けた衝撃は言うまでも無いでしょう

全ては過去日本を発展させてきた諸先輩方が裏で作ってきた「日本の闇」と言っても過言ではないでしょう。

旦那を寝取られた日本人妻はフィリピン人を嫌い、男は愛人や浮気の対象としてフィリピン人を扱ってきました。

彼女達の殆どはクリスチャンであり、中絶を禁止されていて離婚も許されない女性達でした。

本来一途で家族想いで陽気で優しいフィリピン人女性を、日本においてバックアップしてきたのが、日本の裏社会の面々だったのが、更なる悲劇を生んだと言えるでしょう。

フィリピンは日本の占領地であったとは言え、親日国であり在日フィリピン人は20万人以上いる、日本とはとても縁が深い国でありながら、今なお日本において昼間の顔を持つフィリピン人は決して多くはないのが実情なのです。


日本人男性とフィリピン人女性との偽装結婚という闇

今の日本でフィリピンと言えば、英語留学やダイビングスポットとしての「セブ」のイメージが強く、国内においてのフィリピン人とは、そのセブのイメージとは正反対で「夜」のイメージも強いですよね。

昨今では、ようやくテレビでハーフフィリピンのモデルやエンターテイナーを日常的に見かけるようになりましたし、オンライン英会話が流行ったことで、英語教師としてのフィリピン人というイメージも定着しつつありますね。

しかしフィリピン人が今の日本社会において、これだけの人数が日本にいながらも、中国人、韓国人、そしてブラジル人、ベトナム人のような一般的な日本に打ち解けたイメージを持たれることはありません。

そして今まさに大きな問題となっているのが、日本人の男性との偽装結婚詐欺です。

それは今も後を絶たないのが実情で、出稼ぎ目当ての女性達と、報酬に期待して結婚する結婚できなかった、あるいは老いた日本人男性の利害が一致する事で成り立っています。

取得しやすくバレにくく何でもできる日本人の配偶者等という査証

通常の観光ビザは滞在期間が短く、比較的取得しやすい短期滞在ビザは3ヶ月が限度で、この期間を越えて帰らなければオーバーステイと見なされます。

観光ビザでの入国はあくまでも観光が目的ですから、日本に滞在して働いたり暮らすのは不可能です。

20年ほど前までは就労ビザでイミテーションダンサー、イミテーションシンガーが沢山いましたが、それが規制されると、一気に日本への入国が難しくなりました。

ワーキングビザは長期滞在が許され、生活のための就労が許されているものの、取得のハードルが高く現実には困難です。

そこでフィリピン人が選択するのが、日本人と偽装して籍を入れることで、就労に制限の無い長期滞在の機会を得る方法です。

中国人、ベトナム人においては、密入国を選んだり、留学後の不法滞在といった犯罪を犯す者が近年まで多くいて、日本国内の外国人犯罪者としては1位、2位という情報が国に公開されていますが、昨今その人数は大幅に減少しています。

しかしフィリピン人においては、そのような方法ではなく、多くの場合は「無理がなくて発覚しにくい」、偽装結婚の手段による査証取得が取られます。

勿論、婚姻自体は本物なのですから、それが本物の結婚なのかは当人以外知る術は無いのです。

逆に、日本人と結婚さえしてしまえば大幅に入国しやすくなって、配偶者ビザの取得により最長で3年間の滞在が許されます。

偽装結婚を選ぶフィリピン人の最終目的は、更にその先にある永住権の獲得であったり、就業を目的とする者です。

基本的な偽装結婚ビジネスは永住権取得が目的

一般的に、何処の国でも外国人の永住権獲得は困難ですが、その国の人と籍を入れていれば別です。

日本では書類上の婚姻だけで長期滞在が認められ、永住権の獲得も夢ではないことから、出稼ぎを希望するフィリピン人達から目が付けられています。

また、籍を入れてから一定の期間後に離婚できるので、この制度が余計に偽装目的に悪用されているといえます。

成功しやすく失敗のリスクが低いので、仲介を手伝うブローカーの間では、魅力的なビジネスとして成り立っています。

この問題においては、協力する日本人も問題の一つで、報酬が得られることから後を絶たないイタチごっこが続きます。

日本人が受け取る相場は年に100万円といったところで、仕事といえば相手のフィリピン人とビザの申請に出向く程度です。

一方で凱旋を行う国内の組織には、300万円から400万円という相場でお金が支払われ、活動の資金源となっています。

協力者は簡単な手続きを行うことによって、合計数百万円が手に入るので、リスクがあっても協力する人が後を絶たないわけです。


国際化が進む中で真の友好関係を目指すなら「No」と言える勇気を持とう

日本では明らかに違法とされていることから、発覚すれば検挙の対象になりますが、中々そこまでに至らないのが実情です。

第三者が夫婦関係を判断するのは難しく、それが日本人と外国人となれば、余計にハードルが上がります。

入国した人達は夜の商売や風俗業で働くケースが殆どで、協力者の日本人も夜の商売や風俗関係者、やくざなどが殆どですので、問題をより根深いものとしています。

かつて日本人により、その人格すら崩壊に追い込まれたフィリピン女性達ですが、利用されている事を知りつつも、家族のために今なお多くの女性が日本への出稼ぎを所望しています。

但し、彼女達は日本人の扱いを覚えました。

つまり、仕事という名のもと、日本人を手玉に取る方法を身につけたといっても過言ではありません。

昨今では、斡旋業者を通さずに、直接交渉をして偽装結婚をしたり、偽装結婚と悟られないように結婚してしまう、それらの共通点は日本で得られる報酬の中から僅かな手数料の支払さえ守れれば、日本で働き続けることが出来る、もし一定以上の条件を満たせば永住権取得申請ができるようになるので(以下※参照)、永住権取得と同時に離婚に踏み切るという、恐ろしいことですらやってしまう。
※配偶者の場合3年以上の問題の無い日本滞在とその後1年間の日本国滞在、それに加えて永住申請時に配偶者資格が最大の3年である事など

多くの場合は知人やお店のお客筋から結婚相手を探すことが殆どですが、その一端を担っているのが、外国人との出会い系サイトである事も注目すべき点と言えるのではないでしょうか。

フィリピンでは離婚はできませんが、裁判で結婚自体を「取り消す」事ができます。

つまり、彼女達の身はフィリピンに帰ればお金の問題だけでいつでも戸籍をきれいにする事ができるのです。

勿論、実際にフィリピンにおいて離婚までするケースは多くないようですし、帰国後、法的な婚姻関係を持たずとも愛のある男性と夫婦として暮らしているケースは良く見かけます。

見えない解決の糸口と悲劇の連鎖

この見えない解決の糸口は終わることの無い悲劇の連鎖を生んでいるといえます。

日本は高齢化に伴い独身の男性は増加傾向にあり、しかも所得の減少(格差)という問題にも直面している状況下で、フィリピン女性がその寂しさの穴を埋めてくれると思えば、彼女達に協力する老年者が減ることはありません。

恐ろしいのはそのようなフィリピン人への「協力」を好意的にしてしまう、「愚かな日本人」が後を絶たない事ではないでしょうか。

そして需要に対して供給があるわけですから、彼女達の偽装結婚者も決して減りはしません。

偽装結婚をしたフィリピン人の多くは夜の関係で仕事をする人が多いのですが、昨今の外国人流入が増えた日本において、全うなビザで入り込んでくる、他の国の人達が増えれば増えるほど、フィリピン人達への風当たりは益々辛いものになってゆくでしょう。

昨今のコンビニなどは、中国、韓国、ベトナム、マレーシア、インドネシア、バングラデッシュ、ネパールなど、日本人はどこにいますか?と言っても過言では無いくらいにグローバルな空間になってきました。

しかしそこにフィリピン人を見かけることは殆どありません。

製造工場などで働くフィリピン人も勿論多くいますが、昨今の工場勤務におけるフィリピン人の数はどんどん減っているようです。

つまり外国人雇用をしてもフィリピン人は工場勤務、ビルメンテナンス勤務などでは長く続かずに辞めていってしまう為、結果としてベトナム人、マレーシア人等の外国人労働者が残っているのだそうです。(※2)

ビルメンテナンス会社においては、夜間の清掃業務もある事から、色の黒い人種は夜間誤解を招くことも心配されるとの理由で、雇用をしないといった傾向もあるようです。

なぜならば、多くの在日フィリピン人は夜の仕事に関わる者を良く知りその報酬や、生活ぶりを見てしまうので、20万円の給料を「安い」と感じてしまう感覚に陥ってしまうからではないでしょうか。

私はこの事実が後数年後、数十年後の日本とフィリピンとの関係についてとても心配に感じています。

(※2について)
私の友人が東京本社の大手ビルメンテナンス会社の外国人雇用担当部署の責任者をしています。
また、私の血縁者が大手電機メーカーの某工場の外国人雇用責任者をしています。
その2人からの情報に基づく文面ですので、事実ではありますが一部の傾向としてお考えください。

日本人として正しい行いをする勇気を

そしてこれは、現実的に社会に影響を与えている問題ですから、報酬に魅力を感じても協力はしないで、疑わしい話を聞いたら警察に伝える勇気を持ってください。

現在、世界的な視点で比較をしても最も離婚率の高い男女の組み合わせが、辛くも日本人男性とフィリピン人女性の組み合わせであり、これが国際的な日本の離婚率を引き上げている要因の1つにまでなっています。

離婚率については、SHERRYさんと言う若いハーフフィリピーナの女性がブログを書いていますので、こちらがとても参考になります。
SHERRYさんの国際結婚ブログを読む

その全てがこの偽装結婚によるものとは言えませんが、何よりもこのような闇を抱えたままでは、いくら表面上で良い関係に見えたとしても、いずれ崩れていく関係になることも十分に考えられるのです。

真の友好関係を築き、日本人としてアジアの国々を発展させていく使命感を持って、このような闇に対しては堂々と「No」を突き付けることがとても大事なのです。

誤解のない様、最後に一言加えます。

私がこの記事で警告しているのは、フィリピン人ではありません。

フィリピン人に対して「犯罪を許してしまう」「過剰に擁護してしまう」事によってフィリピン人達を正しい道へ導こうとしない日本人に対してです。

もっとハッキリ言いましょう。

私が見てきたいくつかの外国において、ここまでフィリピン人を甘やかしている国、そしてここまでフィリピン人が甘えている国は日本だけです。

日本のODAの支援対象国の優先度はフィリピンからベトナム、バングラディッシュなどへ数年前よりシフトしています。

あと数年で在日外国人数はベトナム人がフィリピン人を抜いて第3位となるでしょう、それも日本語を勉強した就労資格者、留学資格者のベトナム人達がです。

※2019年時点ですでに国内の中長期滞在の査証取得者はベトナム人が第3位になっていて、この傾向は今後の続くものと思われます。
但し、ベトナム人の特に留学資格者においては、その後の不法滞在者としての検挙数も増加しており、やはりイタチごっこの様相が表面化している状況です。

フィリピンという国と、フィリピン人を愛するならば、どうか子育てと同じなのだと考えて、愛情を持って時に厳しく正しい教育をしていく事が、日本人の使命なのではないでしょうか。

2019年9月追記:
日本の高齢化に対応した人手不足に対し2019年より特定の業務においての就業資格条件が緩和されました。
介護系に加えて今回は家政婦系の就業資格がその対象となります。
これは就業内容に制約はあるものの、3年間の査証が比較的容易に取得できる事も魅力と言えます。
国際結婚における偽装結婚問題は、本記事ではフィリピン人について特化して執筆しましたが、他の外国人にも偽装結婚問題は存在しています。
特に有名?な偽装結婚詐欺としては中国人の健康保険目的とした偽装結婚があります。
これは永住権目的ではなく日本の健康保険証取得目的としたものを含み、その方法が日本人的感覚ですとかなりえげつないと思われるはずです。
特に注目すべきは、結婚ではなく「認知」による、子供を日本人に仕立て上げて、それに連なって家族が日本へ来るという方法や、同様に中国にいながら医療費負担を日本の健康保険で賄うといったものになります。
また、出産日が近い妊婦の出産を日本で行うといった、考えられないような方法で日本を活用しています。
いずれにしても大事なのは、日本人が報酬に目がくらみ、このような犯罪に協力しない事です。
いまだに私に対して結婚の紹介依頼をしてくる外国人もまだまだいる事も事実です。
フィリピン人の場合、中国人のような方法ではなく、「働きたい」を中心として(できる事ならば愛のある)結婚を望む分、まだマシと言えます。
それでも法治国家である日本では、それらは明確な犯罪なのですから、日本人がこれらを強く認識する必要があるのです。

 

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